銀河英雄伝説 Die Neue These

今日は辛口でいろいろ書くよ。

まずこの「Die Neue These」というのは、ドイツ語で「新説」という意味。焼き直しでもやり直しでも作り直しでも無い。「新しく解釈した」とか「新しく制作した」銀河英雄伝説という意味。アニメとしては銀河栄英雄伝説には「石黒版」と呼ばれるものがあるが、それと比べてあーだこーだ言う事自体、そもそもナンセンスなのである。

しかし、銀河英雄伝説老害共は新旧版を比べて、ごちゃごちゃごちゃごちゃ言うに留まらず、Die Neue These はつまんねえだと、出来が悪いだの、石黒版の方が勝ってるだの、やかましい事を言いたい放題で、Die Neue These 自体を貶めるような事を言ってくるのであえて言わせていただく。

ちなみに自分は30年近く前に、原作から銀河英雄伝説に入った組である。つまり原作厨である事を踏まえていただきたい。

 

原作ではラインハルトがアンスバッハに暗殺されそうになったときに、一人だけ動けたのはキルヒアイスだけである。オーベルシュタイン以下部下達はすべて棒立ちである。突然の出来事に驚き身動きができなかった。いやラインハルトさえ動けなかった。唯一動けたのがキルヒアイスだ。キルヒアイスがラインハルトの腹心であり半身である所以である。それが石黒版ではオーベルシュタインがラインハルトの前に立ち塞がったと言う設定になっているらしい。

 

原作ではキルヒアイスはラインハルトの判断ミスにより死んだ。誰のせいでもない。キルヒアイスに今まで通り拳銃の携行を許可していれば、キルヒアイスが死ぬことはなかっただろう。キルヒアイスが死んだのはラインハルト自身のせいだ。新作ではそのことが忠実に再現されており、ロイエンタールもこの事を言及している。違和感は無い。しかし石黒版ではラインハルトの判断ミスということになっていないのだ。石黒版は観ていないので、じゃあ一体キルヒアイスの死を誰のせいにラインハルトはしたのか知らないが、まったく酷い原作の歪曲である。目も当てられない酷さだ。

 

どれだけ原作捻じ曲げてば気が済むの? そんなちゃっちい話だったら原作本を窓から投げ捨てるわ。原作を歪曲し貶めるのも大概にしろ。原作の田中直樹氏は、アニメ制作に関しては、なにも注文をつけないというスタンスらしい。それは素晴らしい事だが、わたしは田中氏ほど人間が出来ていないので、この二点の歪曲だけにおいて石黒版を観ようとは絶対に思わない。原作を捻じ曲げた事に対して腹立たしくて仕方ない。

 

キルヒアイスはラインハルトの判断ミスによって死んだ。そしてラインハルトの危機に際して、唯一動けたのがキルヒアイスだ。

 

これが真実である。今のところ新作は原作を忠実に再現していると思える。そしてわたしは新作を応援しているのだ。物語には必ず終わりがある。ぜひともすべての英雄達が舞台を降りるその時まで制作していただきたいものである。