鏡は左右が反転するのに上下は反転しないのはなぜか

結論から言いますと、それは脳の極めて高度な情報処理による「錯視」です。もっと簡単に言うと気のせいです。

 

左右が反転すると言うのなら、鏡に映ったボクの右手は左側に、鏡に映ったボクの左手は右側になければいけません。これが反対になっているという事ですよね?

 

ところが、鏡に映ったボクの右手は右側にありますし、鏡に映ったボクの左手は左側にありますので、左右は何も反転していません。上下もまた然りです。

 

そもそも鏡に映ったボクは平面のペラッペラのはずなのに、どうしてボクそっくりに立体に見えるのでしょうか?左右の反転の事よりそっちを議論すべきだと思うのですよw

 もっと言うと、肉眼で見ているこの世界は、目の網膜に映った時点でペラッペラの二次元映像になっているはずですよね? しかし私達は世界を立体的な三次元空間として捉えています。この脳の驚異的な情報処理によって、私達は世界を三次元空間として認識できているわけですよ。目のレンズである水晶体も、カメラのような完全な形をしているわけではなく、歪んでいますし、目の中には硝子体と呼ばれるゼリー状の液体が充填されており、これらを透過して目の網膜に映る映像は当然歪んでいるはずなのです。でも、私達が肉眼で見ている世界は、歪んでいるようにはまったく見えませんよね? これも脳の驚くべき情報処理により、映像の歪みが補正されているのです。

 

冒頭に書いた通り、鏡に映った左右が反転して思えたり、鏡に映ったペラペラのはずの自分が本物のように立体に見えるのは、脳の極めて高度な驚くべき奇跡のような情報処理による、「錯視」でしかありません。